multiculti
様々な人種の人々と暮らすと日本では全く気にしていなかったことに注意しなければならない、ということが多々ある。
たとえば食事。30カ国以上の国籍の社員と働くオフィスでイベントや会食を企画するともなると嗜好の異なる人々をできるだけ満足させつつ食事の制限がある人にも食べてもらえるように調整する必要がある。
宗教上の理由で豚や牛が食べられないというのはそれほど問題ではなく、魚や野菜を用意すれば良いし、割と人数の多いイスラム教の人のためにはハラル肉を注文すれば簡単に手に入る。BBQでは普通の肉と彼らの食事が同じグリルで焼かれないようにもう一台別に用意する。もちろんラマダンの時期を外して日程を決める。
食品や化粧品などの製品がイスラム法に則した方法で生産・提供されていることを示すマーク。肉は定められた屠殺方法・調理器具・調理場で処理されなければならない。
アレルギーなど体に不調をきたすために特定の物が食べられないという人も結構いて、感覚的に日本よりも随分多い気がする。
甲殻類の場合は含まれてるメニューに明記してもらえば済むし、果物(もも・りんご・チェリーなど)や果糖が駄目な人もいるけど食事を用意するうえでそれほど難しくはない。小麦(グルテン)アレルギーは気をつける必要があって、パスタ・パン以外にライス・豆類を用意するだけでなく、見落としがちだけど料理のソースや醤油、揚げ物の衣など結構色んなものに潜んでいるので必ず入っていないメニュも用意する。
独では米・大豆・とうもろこしなどで作られたパンやビスケット、パスタなど様々なグルテンフリー食品がスーパーなどで売られている。
Veganとなるとチョイスがかなり減ってしまうけど、準備する側としては彼らにもできるだけ楽しんで欲し*いので野菜・きのこ・豆などを使ったメニュを多くしたり、デザートもフルーツやシャーベットなどを忘れないようにする。
← Veganソーセージ類 ↑ Veganチーズなど色々売っている。
そして特にドイツで多いのは‘乳糖不耐症’の人。乳製品が入っているものを食べられないので特にデザートやお祝いのケーキなどを用意する時はバターやクリームなど抜きの”ラクトースフリー“のものを必ず注文しておく。でもその場合卵やはちみつが入っていたりするのでVeganは食べられない。一層のことVegan用を注文するとこれら全てが入っていないのでそうすることもある。
気分を変えて欧州料理以外もアレンジしたいところだけど、たとえば日本食はほとんどのものに魚のだしが使われていたり、東南アジアの料理も魚醤が使われているので気をつける必要があるし、インド料理はベジメニュがあるので便利でいいけれどスパイス自体が苦手な欧州人もいたり、そもそも保守的な人はエキゾチックな料理自体好んで食べなかったりする。
これら様々な要素、予算、都合など総合的に考慮してできるだけみんなをハッピーにするよう試行錯誤する。
コロナでありとあらゆるイベントがキャンセルになって1年半、頭をフル回転させてそんな準備していた頃が懐かしい。またみんなで大きなテーブルを囲んで楽しく食事ができる日が早く来ますように🤞🏼