お互いさま
日本料理は健康的というイメージもあり最近はお寿司とラーメン以外も色々紹介されるようになってきた。
昔に比べレストランが増えたり本格的になってきたというだけでなく、普通のスーパーで食材や惣菜が売られるようになり家庭の食卓にも徐々に取り入れられている。
ただし我々がよく知っている形状や味と大きく異なるものもたくさんある。
たとえば豆腐。一般的なスーパーにある”TOFU”はとても硬く木綿豆腐を10倍くらいに圧縮したような、落としても決して割れない頑丈なもので、我々の想像を遥かに超える味のバリエーションがある。
写真左:燻製・アーモンド・プレーン味
写真右:トマト・カレーマンゴー味、他にもバジルやオリーブなど色々ある(https://www.taifun-tofu.de)
「こんなの豆腐じゃない!」と初めは見る度にイライラしたけど、健康思考やVeganの影響もあってか今やどこでも売ってるし、レストランにいけばサラダやスープに入っているし、ワタシごときが抵抗したところでピクリともしそうにないほど確固たる地位を築き上げている。
物は試しとプレーン味を買ってみたところ、荷崩れしらずなので麻婆豆腐などには便利だし、水切りの必要がないくらいギュッとしているので豆腐ハンバークにする時便利なので気に入った。
色とりどりの‘モダン’豆腐もサラダやラップサンドの具材にして食べたら案外美味しかった。
”TOFU”は豆腐の要領で作った大豆製品だと思えばどんな味があっても許せるしそれはそれで美味しいならそれでいいと思えるようになった。
そして最近よく見かける枝豆。さや付き/なしの冷凍ものが最も一般的だけどついに普通のスーパーで生枝豆を発見した。
枝豆なら茹でて塩ふるだけで美味しいからフシギな進化を遂げることはないだろうと思っていた矢先、イタリア人の友が「Edamameって最近よく見かけるわね、レシピも色々あるみたいだから今度挑戦しようと思う」と言う。
「レシピが色々?!」🤨
恐る恐る検索してみたらやっぱりあった!Edamameトランスフォーメーションの数々・・
ごはんと混ぜたりごはんに乗せたり魚とセットになっているものが結構ある。おそらく日本食といえば米や魚のイメージがあるせいかな😅
炊きたて黒米・枝豆・ネギを生姜やゆずを加えた醤油ベースのソースで和えたもの
”Riso Venere con Edamame e salsa allo Yuzu”
(https://www.japancentre.com)
照り焼きサーモン&枝豆丼
“Saumon mi-cuit Teriyaki”
(http://claireaumatcha.blogspot.com)
さつまいも・枝豆・そばを生姜・ごま油・醤油ベースのソースで和えたもの
“Salade de soba aux patates douces”
(https://www.simpleetgourmand.fr)
「なんなのコレ!!枝豆への冒涜だわ」と昔のワタシなら怒り心頭だったと思う。
でもこれってお互い様なのよね。食材が海を渡ってきたからといって食文化まで伝わってくるには時間がかかるし、行ったこともない地球の裏側の一般家庭でどのようにどんなシチュエーションで食べられているのか知るのは難しいものね。
例えばイタリアン🍝🍕。日本でおなじみナポリタンやハワイアンピザは本国イタリアには存在しないというのはよく知られているけど、”ボロネーゼソース”(昭和時代は“ミートソース”と呼んだ)は決してスパゲティと一緒に食べないし、チキンがパスタと一緒に調理されることもなければ、海のもの(魚介類)と山のもの(肉やきのこ類)が一緒に調理されることもない、サラダ/野菜はパスタやお肉の後に出てくる、なんていうことは日本で知られていないのと同じ。
お互い決して悪気があるわけではなく、せっかくやってきた食材をもっと美味しく食べる方法はないか、きっとあの国はこんなイメージだからこんな風に調理して食べているに違いないなどと想像力と工夫で作り出した結果なのだと思う。
日本で見たこともないようなものを“本格的日本料理”と称して出してるお店なんかは誤解を招くので止めてほしいと思うけど、遠路はるばるやってきた未知の食材に興味を示して自分たちなりに工夫して食べようとしている人々は目くじら立てず温かく見守ろうと思う、だってお互いさまだからね。
枝豆におはし、これもあるある。
日本でパスタにフォーク&スプーンがついてくるのと一緒、イタリア人はスプーン使わないからね、だからやっぱりお互いさま😉