夏の終わり
梨やぶどうが出てきたら夏も終わりかな、と思うのと同じようにこちらでも市場に出回る果物が入れ替わってくると秋の訪れを感じる。
フランスではこちら↑ミラベルが「みなさんお待たせ~」と言わんばかりに8月中旬頃に店の軒先しかもアイドルばりにセンターに並ぶ。
ウルウルっとした透明感のある黄色のプルプルっとした球体、可愛らしい名前の通りのルックスで皆を虜にしている。
仏のアイドルフルーツ、ミラベルは独と国境を接するロレーヌ地方の特産物で世界全体の収穫量の75%がここで穫れる。そして8月末にはロレーヌの首都Metzで”ミラベル祭り”も行われるほどの愛されよう。
ロレーヌ産は黄緑~黄色っぽいけど、他にもオレンジ~赤い種類もある。↑右の赤いのは独で散歩中に収穫したもの。
皮は薄いので剥かずにそのまま食べられる。ぶどうのように瑞々しい。
ロレーヌ地方。すぐ上が独。
一部の地域が独に併合された歴史がある。
ただし楽しめる時期が4-5週間と短く、収穫後は痛みやすいという繊細さ。この儚い感じがより人々を虜にするのかしらね、日本の桜みたいに。
というわけで人々は今のうちにタルトにして食べたり、ジャムやリキュールにして保存したりとせっせと愛でている。
←こんな感じでぎっしりミラベルが敷き詰められたタルトが一般的。
実がとっても甘いからほぼ砂糖抜きで作っても美味しい、見た目イマイチだけどね→
日本語で西洋すももとか黄色すももと言うそうだけど日本のどこかで栽培してるのかしら。桃やすももができそうなちょっと涼しい場所、山梨や長野あたりなら育ちそうだけど🤔
プルーンみたいに酸っぱくなくて上品な甘さできっとみんな好きな味だと思う。
お盆休みや少し遅めの夏休みに仏に来ることがあればぜひ試してみて、洗うだけでポンっと口に入れられるからお手軽なおやつにも👍🏼
季節外だとジャムなら割と簡単に見つかるかも、ぜひお試しあれ。
ドイツでもミラベルは栽培されていたり自生していて同じ時期に食べるけど、夏の終わりをより感じさせるのは同じプラムの仲間でもこちらZwetschge (quetsche 仏)。
このケーキを至るところで見かけるようになると『夏も終わりかぁ・・』と思う。