白い羽根
ビールもソーセージもジャガイモも全く興味のないワタシはドイツで食欲をそそられるものや心待ちに旬の季節を待つようなものは皆無に等しい。そんな中唯一と言ってもよいくらい楽しみにしているものがFederweißer(フェダーヴァイサー)、直訳すると“白い羽根”。
なにかというとこの時期にしか味わえない発酵途中の無濾過のワイン、ワインの赤ちゃんみたいなもの。まるでフレッシュジュースみたいな爽やかな甘さでアルコールが苦手なワタシもグビグビ飲めちゃう美味しさ!
乳白色で微炭酸、ほのか~に酵母の香りがする。
赤もあるけど白が一般的。
この白い酵母が”白い羽根”の名前の由来。
ドイツを中心にスイスやオーストリアでも飲まれ各地方によって呼び名も違うそう。
この時期になるとFederweißerのお祭りがあったり、マルシェのワインスタンドにもFederweißerが並んだりして秋晴れの日に外でこれを飲むのが季節の慣習。
マルシェでワイナリーが出しているスタンド。グラス(200ml)が3.8 EUR、瓶(1L)が5.5 EURだった。
スーパーでも1リットル瓶2~3EURくらいで売られているので手軽に楽しむこともできるけど、ワインスタンドで飲んでみて美味しいと思ったのをお持ち帰りするのが好き。たった数週間のあいだにも発酵はどんどん進むので出始めと終わりでも味は違うし、もちろんワイナリーによって味が違う。そしてこの季節にここでしか飲めないと思うとせっせと飲まなきゃという気分になるので普段アルコールゼロのワタシもこの時期だけ摂取量が増える。
お店の人によると、今はアルコール度数3%くらいで、発酵が進むと最高11-12%くらいになるそう。
なぜ“ここだけ”なのかというと実はこれきちんと蓋がしまってないので遠くに運搬することができない代物。発酵途中なので常に泡がプクプク、密封すると瓶が破裂する危険性があるためこっそり蓋が開いてるの。だから昔は独でもワインの生産地でしか飲めなかったらしいし、日本にお土産に持っていくことは当然ながら不可能。
そんなことを知らなかったころ、スーパーのカゴに横にして入れたまま呑気に買い物をしてたらレジに着いたときにはカゴ中ビシャビシャ。。っていうのはみんなアルアルで、おそらく途中で減っていることに気づいた人が満タンのと取り替えているのか、単に運搬途中にこぼれたのか陳列されている商品の量が明らかに違ったりもする。。
Federweißer のお供といえば
←ZwiebelKuchen(ツヴィーベルクーヘン)が定番。玉ねぎ・ベーコン・チーズ・サワークリームなどを混ぜて焼いたキッシュみたいなもの。→Flammkuchen(フラムクーヘン)もよく食べる。上記と材料はほぼ同じでこちらは極薄のピザみたいな形状。
いつかこの時期にドイツに来ることがあったらぜひ試してみて!
”ビールとソーセージとジャガイモしかない”独の例外的季節、楽しまなきゃ損でしょ😉